RME DIGI 96/8 PST
2002/07/23 作成
2003/04/12 更新
はじめに
RME DIGI 96/8 PST(以下、『96/8 PST』)は去年の8月に購入したのですが、当時 日本では あまり知られていませんでした。
その後、HTPC 系サイトで このカードの音質の良さが話題になったことで、日本でも徐々に個人ユーザーが増え始め、現在では M-AUDIO の DELTA シリーズと並んで HTPC を代表するカードとなりました。
しかし、このカードのレビューは あまり見かけないので、簡単にではありますが紹介しようと思います。
特徴
・ 24bit/96kHz 入出力対応(デジタル・アナログともに)
・ オンボードに 128KB の SRAM 搭載 / 32bit のメモリ転送
・ DD5.1/DTS のパススルー出力対応
・ ボード上に CD_IN 端子(S/PDIF)装備
・ Windows95/98/Me/NT/2000/XP、Mac 対応
このカードについての詳細を知りたい方は、下記のマニュアルを参照して下さい(PDF ファイル)。
英語版
/
日本語版
#日本語版は少し古いので、できれば英語版をご覧下さい。
オーディオカードを購入するにあたって、
・ Athlon マシンでの動作実績がある
・ Win2000 で DD5.1/DTS のパススルー出力可能
という 2点が私にとっての必須条件でした。
ショップの店員に相談したところ、『DSP24 Value』というカードを勧められて購入したのですが、このカード、Win2000 はおろか Win9x でもパススルー出力できませんでした(汗)
#現在のドライバでは どうなってるか知りません。
おまけに、アナログ出力部が一部壊れていて片方からしか音が出ないという初期不良品(爆)
かなり不機嫌モードでショップに行って事情を説明し、差額を支払って 96/8 PST に交換となりました。
外観
▼ パッケージ(左が表面、右が裏面)
▼ カード本体 & コネクタ部
#カード本体のみ、画像をクリックすると拡大表示されます。
このカードの日本代理店は
メガフュージョン
です。
パッケージやマニュアルは日本語化されています。
コアチップは XCS40XL、DAC は AD1852XRS、ADC は AK5383VS です。
かなり前の話ですが、96/8 PST はカップリングに低耐圧のチップセラコンを使用していたため、低周波数域で波形が大きく歪んでしまい、「アナログはダメダメ」のレッテルを貼られていました。
しかし、2001年の出荷モデルから電解コンに換装されたことで、アナログ低音域の音質が見事に改善されたらしいです。
#写真を見れば判ると思いますが、私のも電解コンモデルです。
また、同軸デジタル部にはトロイダルコアタイプのパルストランスが採用されているなど、さすがに高品質設計です。
コネクタ部を見てみると、アナログ入出力は標準ステレオ端子であることが判ります。
2ch RCA 端子にしなかったことでスペースが確保され、同一基板上に光と同軸のデジタル入出力端子も装備されています。
PCI スロットを多く使用している私の環境にとって、1枚構成のカードは非常に有難いです (^^)
ドライバ & コントロールパネル
ファイルサイズはかなり小さいです。
ZIP 圧縮で Win9x 用が 90KB 弱、Win2000/XP 用が 100KB 強です。
ダウンロードが楽ですね (^^)
ドライバは
こちら
から入手できます。
現時点では、DirectSound 対応は Win9x のみとなっているようです。
ドライバをインストールすると、コントロールパネル(RME DIGI Settings)も一緒に組み込まれます。
Windows 付属のミキサーが使えなくなるので、音量調節はココで行います。
▼ Win2000/XP 用 ドライバ v2.023 のコントロールパネル
現在、 WinXP で使用していますが、動作は非常に安定しています。
ちなみに、空きスロットの関係上、ビデオキャプチャーカードと IRQ 共有しています(爆)
以前、Win2000 で使っていた時も安定動作していました。
Win2000/XP 用ドライバの方が Win9x 用より更新頻度が高いようです。
元々、このカードは NT系OS 環境下での動作に定評があったので、ドライバの開発にも力を入れているのかもしれません。
購入当時のドライバと比べて、設定項目も いくつか追加されています。
Athlon マシンとの相性も良いようです。
以前は KT7、現在は EP-8KHA+ で使用していますが、相性問題は発生していません。
HTPC 系の掲示板でも、Athlon での動作報告例をよく見かけるようになりました。
音質
音質を言葉で表現するのは難しいですが、音の解像度&音圧が高く、シャープな感じがします。
音全体のバランスも良く、聴いていて非常に心地良いです。
これなら、どんなジャンルの曲でも満足できそうです。
手持ちのサウンドカード(SB Live! / Audigy / SE-120PCI / AcousticEdge)と聴き比べると、「音が完成されている」という印象を受けます。
ノイズ対策は特にしていませんが、私の再生環境&耳ではノイズは全く聞こえません。
SB Live! DA2 との 2枚挿しで使用していますが、96/8 PST の音に慣れると音楽CD・MP3 などは Live! では聴く気がしません (^^;
使用感
【コントロールパネル】
上でも少し触れましたが、Windows 付属のミキサーが使えません。
また、RME DIGI Settings の Volume 設定ではアナログの音量調節しかできないようです。
デジタル出力の音量は固定されており、RME DIGI Settings では変更不可なので、AV アンプ側で調節する必要があります。
【発音】
一般的なサウンドカードと決定的に異なる仕様として、「複数の音源を同時に再生できない」という制限があります。
つまり、音楽CD を聴いている時に Windows のシステムサウンドなどは鳴らないということです。
当然ですが、同時発音させるゲームなどではサウンド面で不具合が出ます。
まぁ、基本的にオーディオカードはゲームするためには作られてませんからネ。
ゲーム用途には、3D サウンド API に対応した SB シリーズなどの汎用カードが良いと思います。
あと、原因は判りませんが N-Bench のデモの音声が全く鳴りません。3DMark200x のデモの音声は正常に鳴ります。
【MIDI 再生】
96/8 PST で MIDI を再生する場合、ソフトシンセなどを別途インストールする必要があります。
ドライバの仕様上、Windows 付属の GS Wavetable は利用できません。
ソフトシンセ YAMAHA 『S-YXG50』は正常に動作しましたが、Faith 『WebSynth D-77』は音飛びしまくりで使い物になりませんでした。
#2枚挿ししている SB Live! DA2 では、どちらのソフトシンセも正常動作するし、Windows 付属の GS Wavetable も利用できます。
2003/04/12 追記
WinXP に S-YXG50 v4.21.03 をインストールしたところ使えなかったとの情報を頂きました。
私が これまで使用していた S-YXG50 は v2.003 ですが、これは特に問題なく使えてます(WinXP には正式対応してませんが・・・)。
ちょっと気になったので
v4.21.03 の体験版
をインストールしてみたところ、私の環境でも使えませんでした(汗)
う〜む、VerUP して使えなくなってしまうとは・・・。しかも、WinXP 正式対応版なのに (^^;
ちなみに、96/8 PST を一旦外し、EP-8RGA+ のオンボードサウンドを有効にして v4.21.03 をインストールしたところ、正常に使用できました。
その後、オンボードサウンド有効のまま 96/8 PST を追加し、「サウンドとオーディオデバイスのプロパティ」で 96/8 PST を優先させても、MIDI の音はオンボード側からしか出力されませんでした。
また、BIOS でオンボードサウンドを無効にすると、MIDI 再生の選択欄に何も表示されなくなり、結局使えません。
それもそのはず。S-YXG50 V4 のヘルプに目を通してみると、動作環境に「
CODEC は WDM ドライバであることが必要
」と書かれてました(汗)
96/8 PST のドライバは WDM に準拠してません。
ということで、S-YXG50 V4 は仕様上、96/8 PST のドライバでは動作しないということになります。
オーディオカード使ってると、互換性の点で苦労しますねぇ・・・ (^^;
【DVD 再生】
WinXP / ドライバ v2.023 の環境で、WinDVD v2.8・PowerDVD VR-X Build 1307 ともに DD5.1/DTS のパススルー出力 OK です。
コレができないと、HTPC では使えませんからネ (^^;
2002/07/31 追記
PowerDVD XP Build 1811 でも、DD5.1/DTS のパススルー出力 OK でした。
2002/08/05 追記
WinDVD4(B11.083.C00.5090 パッチ適用済)では、『マトリックス』を再生した途端 プレーヤーが固まります(爆)
『グラディエーター』はタイムスライダー動かしたりチャプタースキップすると、たまに WinDVD が応答不能になりました。
WinDVD4 とは相性があまり宜しくないようで。
パッチなしの状態だと、パススルー出力時に早送り再生になるので、事実上 使えません(レジストリを弄れば改善されることがあるようです)。
#SB Live! DA2 は、パッチなしだと同様に早送り再生、パッチ当てると DD5.1/DTS OK で、動作も安定してました。
【スタンバイ・休止状態】
実験的にスタンバイ・休止状態を試してみたところ、移行はできるものの、復帰すると 96/8 PST から音声が全く出力されなくなります(WinXP 環境)。
他の BBS でも同様の報告を見たことがあるので、カード or ドライバが対応していないと思われます。
#SB Live! DA2 は復帰後も正常に音声出力されます。
【システムサウンド】
2002/07/25 追記
Windows の起動・終了音などのシステムサウンドはサンプリングレートが 22kHz であるため、22kHz 出力に対応していない 96/8 PST では 32kHz で出力されてしまいます。
その結果、かなりイケてない音がスピーカーから出てきます(笑)
これを回避するには、システムサウンドを 44.1kHz 辺りにリサンプリングすれば OK です。
「リサンプリングの方法が判らね〜(w」という方は、
こちらのサイト
を参考にして下さい。
MP3 プレイヤー『SCMPX』や Windows 付属の『サウンドレコーダー』などを利用したリサンプリングの方法が解説されています。
SB Live! との 2枚挿し
96/8 PST には いくつかの制限・問題点があることは既に述べました。
これを補完するため、互換性の高い SB Live! DA2 との 2枚挿しで常用しています。
普段は 96/8 PST を使用し、ゲームする時など必要に応じて Live! に切り替えてます。
2枚挿しすることでノイズの影響による音質低下が心配されますが、私の耳には Live! 導入後も同じ音に聞こえました<幸せなヤツ(自爆)
動作が不安定になるということもなく、いい感じです (^^)
ついでに、96/8 PST と SB Live! DA2 のノイズレベルを比較してみました。
WaveGene
で発生させた音声信号を各カードの同軸デジタルアウト → 同軸デジタルインへ流し、
WaveSpectra
で入力信号の波形を測定しました。
音声信号は、44.1kHz / 16bit / Stereo / サイン波 / 1kHz / -10dB です。
なお、同軸ケーブルは同一の物を使用しています。
▼ WaveGene の音声信号の設定
▼ 96/8 PST 同軸デジタルアウト → 同軸デジタルインのスペクトラム表示
▼ SB Live! DA2 同軸デジタルアウト → 同軸デジタルインのスペクトラム表示
結果を見れば一目瞭然。96/8 PST の方が波形の乱れ(雑音)が明らかに少ないことが判ります。
Live! は高音域での波形の乱れが目立ちますネ。
2002/07/25 追記
SB Live! の後継サウンドカード『Audigy』で測定してみました。
ただ、96/8 PST や Live! とは異なるマシンでの測定ですので、参考程度にして下さい。
ケーブルは、上記測定で使ったのと同じ同軸ケーブルを使用しています。
とりあえず、Live! よりは波形の乱れ具合が少ないようで安心しました(笑)
▼ Audigy 同軸デジタルアウト → 同軸デジタルインのスペクトラム表示
まとめ
96/8 PST はスペック的に業務用オーディオカードですが、「PC で高品質なオーディオ環境を構築したい」という人にはお勧めのカードです。
2001年5月から、500枚限定の2万円引き特別キャンペーンが実施されています。
#私もキャンペーン価格で買いました。
「とっくに 500枚 売れただろ」とは思いますが、なぜか現在も続いているようです(笑)
いつ終了になってもおかしくないので、このカードに興味のある方は今のうちに購入しておいた方がいいかもしれません、とか煽ってみる(逃
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